(1)試料作製のツール
管状炉(研究室)
1100℃までの範囲で、昇温速度や保持時間を制御した熱処理ができます。バイオマス燃焼を想定する場合は空気を、炭化したい場合は窒素ガスを循環させます。900℃で空気などを流入させることで活性炭の作製(賦活)もこの装置でおこなっています。
真空炉(研究室)
カーボン材料の調整に使います。2500℃まで上昇。金属も融解・蒸発する温度であるため、内部はすべてカーボン材料でできています。また温度測定にも金属製の端末(熱電対)を用いず、カメラ(色温度計)で行います。
遊星ボールミル(研究室)
ポットの自転運動+ポットを載せたステージの公転運動で、試料容器に入れたメノウのボールが試料をマイクロメートル径まで粉砕します。数十分でセルロース結晶が非晶化する程の強い処理です。
ホットプレス(農学部)
バインダレスボード製作用。圧力をかけながら200℃で焼き上げると、粉末試料から滑らかな板が仕上がります。
丸鋸盤(農学部)
パネルソー(農学部)
(2)分析のためのツール
窒素ガス吸着装置(研究室)
活性炭は、nmサイズの無数の細孔を持ち、1 gあたりテニスコート2面ほどもの表面積を備えています。液体窒素温度(77K)において窒素ガスが試料に吸着されていく様子(吸着等温線)を、いくつかの理論式を用いて解析することで、このような多孔質材料の表面の構造ーどのようなサイズの細孔が、どの程度存在しているかーを明らかにします。
フーリエ変換赤外(FTIR)分光光度計(農学部)
Raman分光光度計(研究室)
吸光光度計(研究室)
X線回折装置(XRD)(農学部)
植物材料の成分には結晶化しているものが多くあります。XRDには、結晶構造そのものから分子の構造解析を行ったり、結晶構造を捉えることで成分を同定したり、結晶化度・配向・結晶サイズを解析することで材料の機械・強度物性を推定したりなど、幅広い用途があります。
透過電子顕微鏡(TEM)(農学部)
試料を透過する電子線から試料の拡大像を観察します。電子線を磁場により収束・発散することでレンズとして作用させます。電子損傷が強い試料では原子レベルの観察も可能な場合があります。焦点では電子回折像が観察されます。
走査電子顕微鏡(SEM)(農学部)
収束した微小径の電子線を試料に走査しながら照射して、反射電子や二次電子により像を得ます。試料表面の凹凸を三次元的に観察できるのが特徴です。
エネルギー分散型X線分析(EDX)
SEMに装着されています。試料に電子線が照射されることで構成元素から発生する特性X線から、どのような元素がどのくらい含まれているのか判定します。試料上で各元素がどのように分布しているのかマッピングすることも可能です。
元素分析装置(CHNコーダー)(本郷キャンパス)
10 mg程度の試料を完全燃焼・分解してその際に生じるH2O, CO2, N2を定量することで、試料を構成する元素C, H, Nを定量する装置です。有機物を構成する主元素の構成比を知ることで、基本構造(化学式)を知る手がかりが得られます。
ガスクロマトグラフィ(専攻)
熱分析装置(TG/DTA, DSC)(農学部)
数mgという微量の試料を一定速度で昇温/降温していき、その際の試料の吸熱/発熱や、質量変化を捉える装置です。材料が燃焼し始める温度をつきとめたり、結晶化など状態変化を起こす温度、それに要するエネルギーなどを測定できます。